タダ飯。

タダで頂く飯は何よりも旨い。

女性という摩訶不思議な生き物

昨日、好意を抱いていた女性にtweeterでダイレクトメッセージを送ったら無視された。程度の違いこそあれ、僕らは互いに好意を持っていたはずなのに。

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事の始まりは、ある異国での旅の途上であった。僕らは日本人というだけの安心感から話しをはじめ、なんとはなしにそれから計五日間一緒に旅をすることになった。

二人で異国を回る旅は予想以上に面白く、それまで一人孤独に、それこそ修業僧のように各地を旅していた僕にとって、それは鮮やかな驚きであった。

御多分に漏れず、出会ってから五日後の別れの際に、僕達は「日本に帰ったら会おう」と誓いあったわけであった(それは言葉ではなく、間接的にtwitterを通して行われたけれど)。

先に日本に帰国した僕はtwitter上で、彼女の動向を追い、彼女も無事帰国し日本に落ち着いただろうという時点で僕は声をかけた。会えないか、と。そこで初めて発覚したのは、彼女は現在実家暮らしであり、東京ではなく静岡で暮らしているということだった(ちなみに僕は千葉。チーバ君なるキャラクターの上を掠め飛んで生きている)。

ということで、東京に来る際には、ぜひとも連絡をくれと、そしてそれは大体一二か月後になるという話で僕達の短いtwitter上での会話は終わった。

二か月後、どうなっただろう。ふむ。僕は楽観視していたのだが、彼女が東京に来ることはないようだった。つまり、働き、長い間一人暮らしていた東京に遊びに行くには、東京の周縁に生きる僕ほどには僥倖は見いだせないのらしいのだ。彼女はそう呟いていた(だが何度も彼氏欲しいなあー、と週に一回ぐらいの頻度で呟いてもいた)。

だけど、行間をつぶさに見ているうちに(ストーカーというならそう呼んでくれ。あくまで僕は数ある膨大なゴミなるtweetから彼女のつぶやきを拾い集めただけだ)、去る八月の週末に、エジプトのコシャリなる食べ物のレシピを習いに東京に来るという情報を見出した(そういう女性なのだ。コシャリ、コシャリ)。

当然僕はそこで期待した。おお、やっと再会できるのだと。半年ぶりにやっと会えるのだと。そこで僕はネットで蔓延る、「行動こそ善である」という教えに従い、再度彼女にダイレクトメッセージを送った。今度、僕というなの男の子と話さないかと、ケーキでもおごるからと緩衝材を伴って(もちろん、来週東京に来るって見たんだけど、とかいう薄気味の悪い前置きは意識外の掃き溜めにはじき飛ばした)。

ああ、無邪気なるかな。彼女はそこで斯くのたまった。男の子w。君と話すよりケーキの方がいいかな。僕はそこで若干ふざけを潜り込ませつつ返事を返した(もちろん若干なる不安を抱えつつ)。ショートパンツ履いて、今年は何とか男の子の定義内に収まる努力をしてるよって。

僕は待った。こういう際のラリーは得てして返されるものであり、今までも基本的な基調として僕達二人の間にはそういう気配があった。

だが、いくら待てども返事は来ない。二日経っても何かが起こる気配はなかった(現代において二日とは、海底の底の底で千年間放置されたアンモナイトと同じ意味を要する)。

ああ、愚かなるかな。その時僕はこう考えたわけだ。彼女はもうあまり僕に会う気がない。もう興味の欠片さえ失いつつある状態だと。でも、だ。僕は自分に対してこう宣言した。後悔というものはいつも行動を起こさなかった愚か者の背中に落ちるのだと。

つまり、僕は負け戦と分かっていながら、自分のダイレクトメッセージの上にこう重ねてこう彼女に送った。それじゃあこっちからいくから静岡を案内してよ。付き合ってくれたら代わりにケーキ奢るからさ。

その返事がこれだ。来週から関西に行くから都合つきそうもないや。

ハハハ。そうして昨日、コシャリなる豆とパスタとトマトケチャップからなるレジピを実地に学んだ彼女は東京から帰ってきたとのことをtweetし、満足そうに写真をアップしていた。

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